こんにちは、hiroです。
今回は、外資系コンサルで求められるスキルについてです。
戦略コンサルやITコンサルなど、コンサルティングファームによって求められるスキルは異なるでしょうが、私の経験に基づいて必要なスキルを書いていきたいと思います。
コンサルって何するの?
スキルの前に、そもそもコンサルってどんな仕事でしょうか。
「クライアントから依頼を受けて、課題を整理し、打ち手を提案する」
一般的なイメージはこんな感じでしょうか。
私の実感としては、コンサルの仕事は次の3ステップが基本だと思います。
- クライアントが抱えている問題から課題を発見し、分かりやすく整理して伝えること
- その課題を解決し、クライアントがより成長できる、明確な根拠のある打ち手を提示すること
- 提示した打ち手をクライアントが着実に実行できるようにサポートすること
クライアントから明確な依頼があるケースはそこまで多くないというのが実感です。
コンサル側から「あなたはこんなことが課題だと思うので、打ち手としてこんな感じのプロジェクトをやりませんか?」という結構ふわっとした提案をして、
クライアントが「面白そうだからやってみよう」という流れで始まることが多いです。
そういった意味では、コンサルは営業がかなり重要だったりします。
基本的にコンサルだと営業するのはマネージャー以上の方ですが、営業のベースとなる提案書の作成はコンサルタントが行います。
そのため仕事としては、「クライアントへの提案」と「獲得したプロジェクトの遂行」の2つがメイン業務となります。
実務としてどんな仕事をするの?
ウェブで検索すると、コンサルタントの1日といったページをよく見かけます。
私の感想としては、
守秘義務で詳細を記載できないという建前は分かりますが、あまりにもぼやっとしていると感じてしまいます。
ジュニアスタッフの業務
いきなりコンサルタントとして入社されるような方は、コンサルの経験がある方がほとんどでしょうから、ジュニアスタッフは何をするのかを書いていきます。
前提として、プロジェクトによって実施する内容は全く異なります。
とは言え、ジュニアスタッフのうちは、実施する作業は概ね決まっていると言えます。
分析です。これに尽きます。
必要な情報を整理して、エクセルを使って分析し、結果をPPTでまとめる。
とにかくエクセルと格闘です。エクセルでピボット、エクセルでvlookup、エクセルで…
まずはここからだと思います。
コンサルタントの仕事としては、
- そもそも、クライアントにとって何が問題かを整理する
- クライアントに問題を伝えて、現状の問題を認識してもらい、何が課題かを議論する
- その問題に対する本質的な課題を抽出し、課題を解決する打ち手を仮説検証を繰り返して提示する
- クライアントと議論しながら実施すべき打ち手を明確にしていく
- 最終的に、成果物としてこれまでの結果を資料化して提供する
といったステップがあります。
調査物など案件によってはクライアントと最初しか議論しない場合もあります。
これらステップのうち、仮説検証がジュニアスタッフのメイン業務となります。
分析とは比較することであり、仮説を検証すること
仮説検証という言葉はコンサル関係のビジネス書などでよく聞かれる言葉と思います。
なぜ仮説が必要なのか?というのは、
「最終的にどんなストーリーで伝えるか?」を意識することが極めて重要だからです。
前提として、クライアントにとって価値がない打ち手を提示する意味がありません。
場当たり的に情報を収集しました。とりあえず分析したら、こんな結果が出ました。
…で?だから何なの?
…このやり方で価値ある結果が出るとは考えにくいですね。
例えばある企業の人員リソース配分について打ち手を考えるのであれば、
- 外部環境分析:今後は人口減少で市場縮小が見込まれ、働き方改革の風潮もありリソース配分を検討する必要がある
- 内部環境分析:クライアントは他社に比べてかなり営業活動に注力しているようだが、結果に繋がっていない
- 仮説構築:適切な顧客のターゲティングができておらず、営業活動に無駄が生じている
⇒ 特定セグメントの顧客は営業活動と実績に相関があり、それ以外の顧客は営業活動の実績に対する影響が少ないのではないか? - 仮説検証:営業活動量と売上推移で相関がある顧客とない顧客で傾向が分かれることを示せるか?
⇒ データがあるので検証できそうだ。傾向が分かればターゲットの限定に繋げられるので、提示する価値がありそうだ。
というような流れで分析する内容を考えます。
適当に今考えて書いたので、かなり大雑把な内容ですが、
「クライアントに提示する価値があるか」「何と何を比較してどんな結果が欲しいか」「そもそも検証できるか」
の3点を考えた上で分析します。
そのため、まず仮説を考えることが重要です。
そもそも何が課題で、どんな打ち手が必要なのかはクライアント側でも明確になっていません。(だからこそコンサルに依頼があるのですが…)
ただし、クライアントはその道のプロであるため、何が課題か?、どんな打ち手が有効か?、について自分なりの考えを持っています。
そんなプロに対して「これが課題です」「これが打ち手です」と提示する上では、なぜそう言える?(why so?)という根拠が絶対的に必要です。
ジュニアスタッフのうちは、その根拠を示すための分析・調査が主な仕事となります。
よくコンサルの面接でフェルミ推定が出されたりします。
単に地頭の良さを見ているということもありますが、
コンサルタントの仕事として実際にフェルミ推定のステップを繰り返すからです。
単純に仕事で使います。
新幹線で1日に売れるコーヒーは?という有名なケースがありますが、こちらはまさに市場規模推定の話です。
コンサルを目指すのであれば、フェルミ推定の勉強は必須だと思います。
勉強せずともゼロベースで自分で導き出せるくらいでないとコンサルに向いてない、とか言う人もいますが、そんなことは全くありません。
コンサルになりたいのであれば、勉強してください。
ゼロベース思考というのは、あくまでも知識や経験があった上での話です。
何をするにしてもインプットは極めて重要です。
コンサルはどんなスキルが必要なの?地方公務員でもやっていける?
私がコンサルに転職して1年ほど経ちますが、この1年で感じたこととしては、
コンサルの人でも、そこまで大それたスキルがあるわけではない、ということです。
地方公務員から転職した私ですら、なんとかやれています。
むしろエクセル・分析スキルについては、この1年でできる人間の部類になりつつあり、かなり良い評価をいただいているほどです。
コンサルに必要なスキルとは
私が考えるコンサルに必要なスキルとしては、以下の5つです。
- クライアントの課題を整理し、打ち手を考案できる思考力
- 伝えたいことを分かりやすく表現し、クライアントを動かす文書作成能力
- クライアントの期待値を適切にコントロールし、議論をリードするコミュニケーション能力
- 仮説検証を迅速かつ正確に実行し、資料化するためのエクセル・パワーポイントスキル
- 英語力(なければ基本ドメスティック案件のみになる)
他にも色々あるとは思いますが、こんなところでしょうか。
コンサルに入る上で、1・2・3・5はそれなりに精査されているので、これから入社される方は4、特にエクセルスキルを磨かれるとよいと思います。
英語力はなくても問題ないファームもあります。ドメスティック案件が多ければ、そこまで困ることもありません。
エクセル、パワーポイントスキルについては、次回以降に書いていきたいと思います。
地方公務員の強みは何か
人による要素が強いと思いますが、少なくとも、公務員の方はスピードより正確性を求められて仕事をしてきたと思います。
この「正確性」という部分はコンサルでかなり強みとなります。
というのは、コンサルは結構適当な方が多いという印象があるからです。
中にはものすごく細かい人もいますが、どちらかというと適当な方が多い印象です。
「コンサル?何か胡散臭いなあ・・・」
みたいに思われている部分もあるので・・・。
もちろんコンサルにいる方の時間当たりのアウトプットの質、量は公務員よりも遥かに高いです。
当然その部分は努力して差を埋めなければなりません。
ただ、「確実かつ正確に業務を遂行する」という安心感のある人材は重宝されます。
これはコンサルに限った話ではなく、どんな職場でも同じです。
自分の正確性を売りにして、スキル向上を図っていけば、地方公務員でもコンサルとして十分やっていけます。
※ちなみにですが、逆にコンサルが公務員になって同じような生産性で仕事ができるかと聞かれたら、そんなことは全くないと思います。文化の違いです。
スキルも必要だが、何よりもマインドが重要
ここまで長々とスキルについて書きましたが、結局のところマインドが最も重要だと思います。
地方公務員でもコンサルとしてやっていけるか?に対する結論としては、
オーナーシップを持って業務を遂行できるか?
これに尽きると思います。
公務員であろうとなかろうと、オーナーシップがあればコンサルとしてやっていけるでしょう。
オーナーシップを持っている方であれば、現時点でスキルがなくとも自ら考えて率先して行動するのでそのうち身に付くでしょうし、最終的にはどうにかなります。
ただ、オーナーシップがない方がコンサルになることはお勧めできません。
地方公共団体や大企業であれば、何かあっても組織の力で何とかなりますが、
コンサルは自分一人で何とかするしかない場面が多々あります。
そんな時「上司に指示されたから」「私は経験がないから」といったことはクライアントに通用しません。
私の例として、Excel VBAの経験が全くないのに、翌日までにVBAを作成して処理した資料をクライアントに納品しないといけないことがありました。
「無理だろ…」と思っていたらできなかったと思いますが、「無理でもやるしかない…」という半ば諦めの気持ちで取り組んだら意外と何とかなりました。
(…勿論、元々VBAが使える感じでクライアントに納品しました)
クライアントは一人のプロフェッショナルに対して報酬を支払っているので、自分で何とかする気概を持たなければなりません。
指示を待つ方、自分で責任を負いたくない方の場合、コンサルには転職しないほうがよいと思います。
コンサルに転職するなら早めの行動を
もし将来的にコンサルへの転職を考えているのであれば、行動は早い方が良いです。
自らの市場価値を把握するためにも、まずは転職サイトや転職エージェントに登録することをお勧めします。
私も20代の頃から転職サイトに登録だけはして、いくつかのエージェントと面談もしました。
その時点では、
「今面接してダメだったら、もうチャンスがないのでは?」
「もう少し、経験を積んでから挑戦しよう」
といった非常に的外れな心配をして、一歩踏み出せずにいました。
転職活動をした今なら分かりますが、人手が足りていない今は、絶好の転職タイミングです。
経験やスキルより、転職では動くタイミングが圧倒的に重要です。
適切なタイミングで動くためにも、早めに転職サイトやエージェントに登録しておくべきです。
自分が30代になろうとする頃、明らかにスカウトメールの件数が減ったことに気づき、危機感を感じました。
これは非常にありがたい現象です。
明確に自分への関心が減っていることが実感できるので、「とりあえず動かなければ」という気持ちにさせられます。
結局、私が実際に行動に移したのは危機感を感じた30過ぎなので、今思えば早いうちに登録しておいて本当に良かったと思います。
ワークポートは未経験から異業種へのキャリアチェンジを得意とするエージェントですので、登録して情報収集だけでもしておくべきです。
このワークポートだけは30代になってもスカウトメールを送ってくれたことが強く印象に残っています。
エージェントによっては30代だと良い対応をしてくれないところもありますので、いくつか登録することをお勧めします。
いきなりエージェントに登録することに抵抗があるのであれば、リクナビNEXTがお勧めです。
早めに登録しておくと、年々スカウトメールが減っていくことを実感できます。
登録した後、簡単でもいいので自分の経歴を書いておくと、いろんな企業やエージェントからスカウトメールが飛んできます。
別にわざわざ返信する必要もないので、見るだけでもいいのですが、スカウトメールには具体的な企業名が記載されています。
実際にエージェントがそこに紹介したいかは面談してみないと分からない部分があるのですが、少なくとも「どんな業界の人に興味を持たれているか?」がそれなりに分かります。
もしスカウトメールが来て、関心のある業界を紹介しているのであれば、まだ転職する気がなくても一度会って話を聞いてみると良いです。
すぐに転職する気がないと言っておけば、彼らも忙しいのでしつこく連絡が来ることはありません。
ただ、業界の需要は聞かないと分からない部分があるので、実際に転職を仲介しているエージェントに話を聞けるようにしておくことをお勧めします。
繰り返しになりますが、転職はタイミングが最も重要です。
20代というのはそれだけで価値があります。
何事も早めに行動した方がよいです。先手必勝です。
コンサルへの転職については、また別の機会で触れたいと思います。
まとめ
- コンサルの仕事は「クライアントへの提案」と「獲得したプロジェクトの遂行」
- ジュニアスタッフの業務は仮説を検証するための分析に尽きる
- 思考力や文書作成能力は勿論のこと、エクセルスキルを磨いておくとよい
- コンサルとしてやっていくにはオーナーシップが最も重要
- 転職を考えるのであれば、早めの行動を